必修科目未履修問題、決着か?

う〜む、報道も減少し、補習時間の「大幅」軽減で落ち着きそうな雰囲気。この時期に補習を実施することは学生にとって負担であることは理解できるが、必修とは「必ず修得(=単位をとる)」ということですよ。そのための条件を緩めてしまうことは、原理原則を崩してしまったわけで、ある意味で「何をやっても許される」という前例を作ってしまったことになる。
例えば、どこかの企業のトップが不正を働いたとしよう。しかし、社員はそんな事実は知らず真面目に働いていた。それでも不正が明るみに出た時点でその企業の信用は失墜し、真面目な社員すらも何らかの被害を受ける。「私は知らなかったんです」で許してもらえるほど世の中は甘くない。学校にしても同じ論理だと思う。「先生を信用してやってきた学生のどこが悪いのか?」という論調もあるが、そういう言い方は論点のすり替えに過ぎない。問題視されているのはルールが守られなかったことであり、それに巻き込まれた学生は不幸だとしても、ルールを遵守しなかったトップ(校長ら)を恨むべきで、制度を批判するのは妥当ではない。そんな単純な論理が何故、分からないのだろうか?制度が現実に則していない部分は認めるし、それはそれで別途議論が必要だが、「現状はこのルールに則っているのだ」という諦めが必要である。

「受験生がかわいそうだ」という同情論に流されて原理原則を曲げてしまった国は、自らが信用を失墜させたわけで、国際的にも「論理が通用せず、感情論で押し切ろうとする国民性」と見られても仕方ないね。