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北陸電 直前にもトラブル 発電所長、地元の反発恐れ隠蔽
3月17日8時1分配信 産経新聞


 北陸電力志賀原子力発電所(石川県志賀町)1号機で定期検査中に起きた臨界事故を隠していた問題で、事故隠しを決めた当時の発電所長が「別のトラブルが起きた直後で、トラブルが続くと地元の信頼を損なう恐れがあった」と同社に説明していたことが分かった。

 同社は経済産業省原子力安全・保安院の指示を受けて16日午前、1号機の原子炉を停止させた。また、保安院は同原発に対して行っている保安検査を強化する方針で、週明けの19日から同社の安全に関する取り組みの調査を強化する。

 同社によると、臨界事故が起きた平成11年6月18日の4日前、定期点検中に同機の非常用発電機の部品にひびが入っていたことが判明。その対応に当たる中で臨界事故が起き、トラブルが続けば地元の反発が高まることを恐れたものとみられる。

 臨界事故隠しは発生直後、発電所長ら幹部らが対応を協議。本店へ報告しないことを決めていた。当時、同社は同原発2号機の増設を目指して地元自治体と協議中。非常用発電機にひびが見つかった問題を受け、石川県副知事が「原因がはっきりしない段階で(2号機の)ゴーサインを出すわけにはいかない」と、増設了解を慎重に判断する姿勢を示していた。

 同発電所長の判断は、こうした計画への影響を懸念したものとみられる。結局、2号機は2カ月後の11年8月、石川県などの事前了解を取り付けていた。

 一方、保安院は今回の問題について、原子炉等規制法の保安規定違反にあたると見ており、運転停止処分も視野に週明けの19日から、同社の安全管理体制の調査を強化する。原発の過去の不祥事をめぐっては、東京電力の福島第1原発で検査データ偽装が判明した際、同法の保安規定に基づいて1年間運転停止とする行政処分を出したケースがある。

最終更新:3月17日8時1分